自閉症児・者の理解のための第一歩  その2

 
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 =★ 自閉症児・者の日常へのこだわり行動

自閉症の人たちには、一人ひとり…それぞれ、

自分なりのルールを決めて行動することがあるんですね。

その行動のことを、私たちは【こだわり行動】と呼んでいます。


例えば…(*^_^*)

【水に対するこだわり行動】…水道の水を出しっ放しにして手のひらをかざして、

手のひらに水を当てたり、甲の部分に当てたりして毎日…5分でも10分でも…

いつまでも水遊びをしていたりします。

【紙に対するこだわり行動】…ティッシュペーパーは 一旦ふたを開けたら

最後まで(空になるまで)使い切らないといけないというルールを決めて

お母さんが家事をしている間に 自分の部屋で部屋全体にティッシュペーパーを

散らかして…ニコニコと笑顔満面Y(^。^)Y…のお子さんもいらっしゃいます。

また、トイレットペーパーも 一度トイレに入ると使い切らないといけない…

というルールを決めると…トイレに入るたびにトイレットペーパーが一巻きずつ

無くなって行くことになります。 (^_^;

【公共の交通機関に乗った時のこだわり行動】…学校への行き帰りなどに使う

電車やバスでは、必ず自分が座る席に座らないと おさまらない という

こだわりを見せる人も いらっしゃいます。

 (*^_^*)

人によって「こだわり行動」はさまざまですが、

自閉症の人たちにとっての「こだわり行動」は…ある意味…、


自分たち一人ひとりの気持ちを落ち着かせるための、

【一つの手段】 だと 思っています。


これから(今から)どうしたら良いのか分からなくて、不安な時とか、

今朝方に何か…自分の思い通りにならないこととかがあって

落ち着かない状態の時には、

自然と…こだわりも強く、

時には…冷静さを欠いた…少し無理じいをするような

態度を取ったりすることも あります。


利用者のお母さんの中には…


「昨晩から今朝方にかけて同じ質問の繰り返しで…

 しつこくて…(*^_^*)… うんざりしています。。」 と

おっしゃるお母さんも いらっしゃいます。

 同じことを質問して、同じ答えを要求する。

 質問の答えが知りたいのではなく…、

 同じ答えが返ってくることで、

 心の安心を取り戻していらっしゃるのだと思っています。 


 相手をする方は 本当に大変で…ストレスがたまります。 (^_^;


 たまたま、違う答え方で返答したりするようなことがあると、

 余計に しつこいくらい 同じ答えが返ってくるまで

 同じ質問を 繰り返してくるのが

 この【こだわり行動】の典型的なパターンです。


 ★ 言葉のこだわりの他には、

 ◇ 物の位置や配列が、いつも 同じように並んでいないといけなかったり、

   毎日、同じ順番で…同じBGMをかけたりして、自分を落ち着かせたりします。

   いつも同じ順番に順番に並べて重ねられている、自家製のカードを

   持ち歩いたりするのも、物へのこだわりの一つだと思っています。

 ◇ 前もって計画されたスケジュールとまったく同じ時間通りに

   スケジュールが進行されていかなかったらイライラしたり、

   落ち着かなくなって、急にドタバタした行動を取ったりして

   自分の【時間に対するこだわり】を表現したりする方もいらっしゃいます。

   ある一定の時間が来ると…それをしないと 自分自身…修まらなくなるんですね。

   お昼の12:00ピッタリになると…何があっても…彼の心の中には

   「お弁当を食べ始める時間…」 …という決まりのようなものがあって…(*^_^*)

   作業の途中でも「何〜? 何をしたいの?」 …と尋ねると…「お弁当を食べる。」

   …と、答えます。

 ◇ 特定の年月日や、特定の言葉、特定の人の名前などにこだわりのある方も

   いらっしゃいます。

   今年が2009年ですと…

   A君:「2010年…関係ない!」  指導員:「うん、関係ない。」

   …という会話が、しばらく続いたりします。

   病院…とか、注射…犬…〇〇君、さん …等… 一定の聴きたくない言葉が

   他の人同士の会話の中に出て来たりすると…

   Bくん:「病院…病院」 指導員:「病院…関係ないよ〜」

   …という会話が、しばらく続いたりします。





自閉症児・者への対応経験の浅いケア担当者は…

ついつい、

こういった自閉症児・者のこだわりに対して、

【矯正…】を考えてしまう人が多いと感じています。


こういったこだわり行動を見せる自閉症児・者の行動に対して、

ケア側が、一緒になって通常の会話を成立させようと、

問題のこだわりを矯正するように働きかけをしたり、

こだわりの質問や言葉に対して… 違う答え方をしたり、

違う言葉に言い換えたりすると

… どれも … うまく修まらなくなってしまうことが多いものです。




対応する私たちは…

気長に…気長に…

「そうね〜。」と (*^_^*)、  

本人の質問や言葉や行動に対して、

忍耐強く… オウム返しのように 同じ答え・同じ言葉・同じ対応の仕方 …で、

対応していくことが 良いと思います。


気長に… いつものこと…というように 

こちらも安心した笑顔で、いつもの対応をしていると…


まもなく…

本人も 急に落ち着きを取り戻して、Y(^_^)Y

それまでのこだわり行動が まるで無かったかのように

平静な笑顔を取り戻して、日常の生活に戻ってこられることが多いように

思っています。


自閉症児・者のこだわり行動というものを 理解してあげていただけると嬉しいです。

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